果実と恋のバスケット
「諦めるつもりは毛頭ありませんが、私が優先するべきは貴方ですので。…お時間を取らせてしまいすみませんでした。それでは」
「あっ、ブ、ブドウくんっ…!」
早口で言葉を紡ぎ、去ろうとしてしまったブドウくんに、慌てて声を掛ける。
数歩進んだところでブドウくんは立ち止まり、少し不思議そうな表情でこちらを見た。
どっ、どうしよう…!
言うこと考えてなかったよ…!
感情に身を任せて、衝動的に口走る。
「あのっ、ありがとう!好きになってくれて、嬉しかったよ!」