夢見る契約社員は御曹司の愛にスカウトされる
 彼の唇が離れた。

 祐樹は覗き込むように莉愛の目を見て、長い指で彼女の耳の斜め後ろの黒髪を少し避けた。そして見えたうなじに顔を近づけてきた。

 驚いた莉愛が息をのんだ時には彼の唇がその部分を強く吸った。チリッとした痛みが走った。

「……えっ……」

「ほら……しばらく消えない印がついたよ。契約印。君は僕のものということだ」

「ちょ、ちょっと、祐樹さん!」

「大丈夫、見えないから……でも消えたら言うようにね」

 そう言うと、もう一度莉愛を抱き寄せて出て行った。

 
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