もっと、キミと
「でも、本当に良いの? 僕……ずっと一緒には、いられない。余命だって、あてにならない。一年以上延命できる可能性もあるけど、明日死ぬ可能性も否定できない」
言葉に詰まる彼も珍しい。
今日は、珍しい表情ばかりをする。
弱気になってるのだって。
そんな悲しい顔、もう見たくなかった。
樹くんがそんなだと、私がいつもの樹くんみたいになっちゃいそう。
「良い……! 樹くんが、良いの……! 私、いつも樹くんに助けてもらえたんだもん。今度は、私がいっぱい、いっぱいお返しがしたいの」
「ふふ。ありがとう。こんなに想ってもらえるなんて。ところで美華ちゃん」
「何?」
「今日、病院も夏祭りを催してくれて、特別に面会時間の制限はない。ということは、もっとキミといられるんだけどーーその」
「……うん?」
話の展開が読めず、小首を傾げると彼は少し照れてぽりぽりと頬をかき視線を逸らした。
「このまま朝まで一緒にいたいと言ったら……迷惑かな」
「っ……」
突然のことに、私は目を大きく見開いた。
そして、その言葉にコクリと頷いた。
彼といられる時間は、有限。
きっと、家に帰らなかったら明日ーー母に怒られるだろう。
それでも、この時は彼と一緒にいたい。
一日でも、一分でも、一秒でも長くーーキミのそばにいたい。
もっとーー。
もっと、キミと一緒にいて、話したいことも、一緒に行きたい場所もーー絶対にある。
彼への気持ちは大きくなり、たくさん欲しくなっていた。