転校したらヤンキーに愛されまくった件

タネ明かし

——ゴホン


玲央の咳払いで私たちは我に返った。
みんながニヤニヤしながら私たちを見ている。
穴があったら入りたい!!


「ラブラブのとこ悪いけど、先にやることあるでしょ大我」


玲央が言っているのは勇征のことだった。
結果的に鳳仙を裏切ったわけではなかったけど、勇征が桜ヶ丘に私たちの情報を流していたのは事実だ。
でも私は何かが引っかかる……。


「大我、待って」


「止めんな一花。どんな理由があっても、仲間を危険に晒したことに変わりはない」


大我にそう言われたら、もう何も言い返せない。


「オイ。覚悟はできてンな」


「うん。一花とみんなを危険に晒した分は殴られる覚悟だよ」


勇征を殴ろうと大我が手を振り上げた時、「ストーーップ!」という声が体育館いっぱいに響き渡った。
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