花系男子はアナタっ子



──何か噂されるのも嫌だから、と三人に少し前を歩かせながらの登校。

時折、双子が振り返って笑顔を向けてくるのを、周りを気にしつつ微妙な笑顔を私も返した。


門をくぐると、

「あ!百合水くんたちだぁ!」

「蒼葉くんもいるよっ」

「三人で登校してるー!」



登校途中の女子は三人に駆け寄り、

校舎内の女子は手を振りはじめる。

道が塞がれ出すと、自然に足を止めざるを得ないわけで。


「おはよー皆っぼくらの見分けつくかなー?」

「皆おはよう」

「っち……親しくねぇのに名前で呼ぶな」



瞬時に笑顔を見せる双子の横で一人だけ呟いた蒼葉くんの不満を耳に、私は後ろから庭園の方へフェードアウトした。
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