君が恋する私は、

おばけのスタンプ

違和感を覚えたのは、最近になってからだった。

バイト帰りの夜道を歩いていると、後をつけられているような感じがするのだ。


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「え! なにそれやばくない?」

バイトから帰る前、ねねさんに相談するとすぐに彼女はそう言った。

「うーん、ただの思い過ごしだと思うんですけどねぇ」

「でもでも! なんかあってからじゃ遅いんだし、ちょっとでも変だなって思ったら言うんだよ? ほら、ちょっと前にも出禁になった人もいるじゃん」

そう言われて、私の頭の中には1人の客の顔が浮かんだ。


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それは、1月ほど前のことだった。

お客さんの前に料理を置いて、テーブルを離れようとしたときにお客さんに呼び止められた。

「ねぇねぇ、さくらちゃん」


「なんですかー?」


「連絡先、交換しようよ」


「ご主人様、私たちメイドはご主人様との連絡先交換はできないんですよー」

すみません、と頭を下げて、もう一度テーブルを離れようとしたときだった。
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