The previous night of the world revolution4~I.D.~
…オルタンスが仕組んだんじゃないってことは。

他の誰かが、ルレイア達を嵌めたってことだ。

一体何処の命知らずが、そんなアホな考えを思い付いたのか知らないが…。

「…ルレイア殿には申し訳ないが、我々が関与しているのでないのなら…それはそちらの問題なのでは?」

と、ルーシッド。

気の毒だけど、俺達には関係ない。と…言いたいのだろうが。

「そうも言ってられない。ルレイアはマフィアではあるが、その前にルティス帝国民だからな。万一、シェルドニア王国の陰謀でルレイア達が拐かされたのであれば、黙っている訳にはいかない」

「シェルドニアの陰謀で…?まさか、それはいくらなんでも…」

ルーシッドは、真っ向から否定してきたが。

俺は、有り得ないことはないと思っていた。

国内だけでも、あいつは充分名を馳せているのに。

最近『青薔薇連合会』はアシスファルト帝国にも進出しているし。

それどころか、先日の箱庭帝国の革命では、革命軍のリーダーより活躍したそうじゃないか。

シェルドニア王国が、『青薔薇連合会』のルレイアって奴が何やらヤバいらしい、と知っていてもおかしくない。

国内にシェルドニアの斥候が入り込んでいないはずがないからな。

何処の国でも珍しくはない。ルティス帝国からも、シェルドニアに斥候を送ってる。

シェルドニア王国が、何らかの事情でルレイア達を狙ったと考えても…考え過ぎではないだろう。

「『青薔薇連合会』には色々と借りがあることだし…。この機に、少しくらいは返さなくてはな」

と、オルタンス。

まぁ…異論はないな。

「それに…俺はルレイアとのハムスターランドを諦められないからな。ちゃんと帰ってきてもらわないと困る」

「…お前、いい加減諦めろよ…」

帰ってきたところで、お前とハムスターランドは行ってくれねぇよ、あいつは。

「…そうですか。協力、感謝します」

『青薔薇連合会』の次期首領幹部は、ぺこりと会釈した。

…何だか、雲行きが怪しくなってきたな。

あのルレイアが、そう簡単にくたばるはずがないとは思うが…。
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