The previous night of the world revolution4~I.D.~
ルレイアの為なら、食料の振りをするのも、食料運送業者に扮装するのも、メイド服を着るのも苦ではない。

そうしなければルレイアを取り戻せないのなら。

喜んで、何でもするつもりだが。

「で、ルルシー先輩。ウィッグはどれにする?」

「あ?カツラ?…別に何でも良いぞ」

「ウィッグと言ってくれ、ウィッグと。色々取り揃えてるぞ。金髪巻き髪とか、黒髪ツインテールとか、この縦ロール…はアシミムと被るか。じゃあこっちの、ゆるふわ系薄ピンクふわふわミディアムなんかどうだ?きっと似合うぞ」

「何で全部ロリータ系なんだよ!」

普通に、黒髪ストレートで良いよ!

「もっとシンプルな奴を所望する」

「仕方ないな…。まぁ、ルレイア先輩のいないところで、ルルシー先輩が特殊性癖に目覚めたら、ルレイア先輩に申し訳ないからな。今回は、この黒髪ボブにするか」

普通のあるじゃないかよ。最初からそれにしてくれ。

ってか、今回は、って何だよ。もう一生ないよ、メイド服着る機会なんて。

「俺は何にしよう。どれも捨てがたいよな?」

「何でわくわくしてんの?お前…」

そういう性癖でもあんの?

「じゃあ、俺は金髪ウェーブミディアムにしよう。似合うか?」

「うん…」

お前にしても、ルレイアにしても。

めちゃくちゃ堂々と着るから、何でも似合うように見えるんだよな。

「あとは、当日を楽しみに待つだけだ。体調を万全に整えてくれ、ルルシー先輩」

「勿論だ」

ルレイア、もう少し待っててくれ。

必ず、助けに行くから。
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