本当のことは言わないで
急性肝炎になったとはいえ、人間はこんな色になるのかと驚くくらい黄色くなっていた。

そして機械からたくさんの管が橘につながっていた。

目を閉じていて、機械の音がなければ死んでしまったと勘違いしてしまいそうだった。

あまりの状況に私はただただ立ちすくんでいた。

すると橘が目を開けてくれた。

そして私を見る。

精一杯の力で何かを伝えようと口を動かす。

その姿を見た私の目からは涙があふれ出していた。

それが私が最後に見た橘の姿だった。


あの後どのようにして家に帰ったのか覚えていない。

気がついたら自分の家のベッドにいて、目が腫れていた。
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