凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
大っ嫌いだなんて言っといてなんで私もこんな気にしてんのかわからんけど。

マシンから落ちた時、あの腕に抱き止められて男性らしさ全開で…顎クイまでされたぞ!

「ぎゃー!」

クッションに顔をうずめて叫ぶ。

なのに最低ヤローだったー!
ただの女好きの最低ヤローだったー!

なんだよあの誘い方。
雑すぎるやろ!

人は見た目だけじゃない…

わかってんのよ!

でもどうしても諦めきれない!

こ、こうなったら…
マッチングアプリで…

と携帯を手に取る。

「って、ちがーーーーーう!」

ペーイと携帯を投げ飛ばした。

えーん。
そろそろ本気でいい人欲しくなってきたー。

くそー。
佐久間伊吹め。

私の初の顎クイを返せ!

壁ドンとかさ、膝ドンとかさ。
グフっ。

されたぁーい!

次々に脳内にキュンとくるシチュエーションが思い浮かび一人悶絶する私はきっと、頭のネジが足りない奴に写ってるんだとは思う。

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