凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
え!?
凄くない!?

私、話しちゃった!

車も隣りだった!

「キャー」

悶絶するように床に倒れ、洗濯物を抱えながらゴロゴロと身体を転がす。

凄い。
これは凄いことだ。

洗濯物の中から飛び出したブラジャーがアイマスクのように顔に乗っているのは無視して、ひとりパラダイスへ飛び立ってしまう。

ブラジャーを取りふたたび携帯を見る。

そして過去の彼のレースの動画を見て息をするのも忘れて見入ってしまった。

すんげー。

解説動画なんかも出てきてとにかくネットを漁る。

佐久間伊吹はどうやら凄いドライビングテクニックの持ち主らしい。

テクニック…

あっちの方も凄いのかな…
なんてちょっと大人な妄想に移行してしまう。

ばっ、ばっきゃろー!

「いやー!」

夢見る少女かって!
少女ではないか。

なんかインタビューとか凄くスマートだ。
英語も流暢で。
フランス語もペラペラ。

仕草も素敵。

えー。
本当カッコいい。

そしてとっ散らかったブラジャーやパンツを拾い集め洗濯を回す。

その最中も脳内は佐久間伊吹の事でいっぱいだ。
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