寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから
……。

どんな表情をしてるのかわからないけど…


その声はさみしそうだった。


あったかい緋太さんから聞こえるもの寂しい声が離れていく。

「わかった気がします、僕が現れた理由」

「え…?」

俯いていたから緋太さんの足元しか見えてなくて、それが見えなくなったからつい顔を上げてしまった。

「やっとこっちを見てくれましたか」

その表情は微笑んでた、でもハの字にした眉がさみしさを物語ってて。涙でぐちゃぐちゃだったわたしに向かって笑ったから。

「どうして自分が柑乃さんの前に現れることが出来たのか、それは柑乃さんにお礼を言う為だと思ってたんです。でも実際は少し違って…」

その理由は、考えてみたけどわたしにもわからなかった。

佐湯くんと違って暖のことは知らなかったし、わたしがクリスマスに焦がれてたことも知らないし。


じゃあどうして緋太さんは…?


「柑乃さんを応援する為です」

< 122 / 140 >

この作品をシェア

pagetop