あたしの好きな人は先生?!
頭の中であたしが見たことないような笑顔の先生がいる。
どうして?
あたしは離れていく先生の手を目で追うことしか、できなかった。
ガラガラと音がして、保健室のドアが開く。
「田山、とりあえず熱計って休んでろよ?」
あたしはこっくりと頷く。
先生は顔をくしゃくしゃにして笑って、あたしの頭を撫でてから出ていった。
「あら?田山さん、どうしたの?」
保健室の水野先生が声をかけてくれた。
水野先生はかわいくて、優しくて女らしい。
あたしの憧れだったらしい。
「頭痛くて、戸波先生が熱計ってこいって…。」
あたしが答えると、水野先生はにっこり笑って体温計を渡してくれる。
「じゃあ計ってね。結果が出たら先生に言うのよ?」
先生はふわふわ笑ってパソコンの前に座った。
あたしは自分の脇に体温計を差し込んで、さっきの頭痛の中の映像について考えてみる。
