御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹   葉子と仁の物語
2月14日、今日はバレンタインデー。ありがたいことに、ホテル9(クー)は満室。このような特別で満室の日は、いつもより多めの従業員を配置する、稀にある厄介な問題に備えて。




ホテル9(クー)には俺専用の寝泊まりできるレジデンススタイルルームがある。ここからマンションまで車で5分もかからないが、ホテルで起きた問題に敏速な対応をするため、この部屋に泊まることがほとんどだ。この部屋には、寝室とリビングはもちろん、料理もできるミニキッチンが設備されている。


自慢ではないが、料理はできる方だと思う。手の込んだものでなく、一般家庭的なもの。パスタ、シチュー、ハンバーグなんかも。なぜか九条家では男の方が料理が上手い。ばあちゃんもそうであったが、お袋も料理は得意ではない。休みの日に、じいちゃんとおやじが作り置きやおかずを冷凍していた。俺もよく手伝っていたので、一人暮らしの今でも時間がある限り作るようにしている。




今夜、葉子ちゃんをこの部屋に招待し、俺の手料理を振る舞う。付き合いだしてわかったが、彼女は料理ができないらしい。母親の久美子さんにも教えてもらったが、酷い有様だったと言っている。


料理なんてできなくてもいい。おまえはただ、俺のところに嫁に来てくれれば、それだけでいい。
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