御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹   葉子と仁の物語
休みの日の土曜日、久しぶりにゆっくりと起きて、LIMEメッセージに気がつく。


『話があるから、できるだけ早くホテルに来てくれ』


相変わらずぶっきら棒な物言いは変わらない。あまり乗り気ではないが、とりあえず準備をしてホテル9(クー)の彼の部屋に向かった。




「悪いな、休日なのに、朝から来てもらって。早急に決めないといけないことがある。ブランチがあるから、食べながら話そう」


お腹が空いているはずなのに、食欲がわかず、ミルクティーをいただく。




10月に結婚式を挙げる予定の私たち。普通ならゆっくり時間をかけて色々決めるんじゃないの? まあ、美愛の結婚式準備も数ヶ月しかなかったし。なんか慶智の王子たちって、『余裕』って言葉知らないんじゃないの? 


ハァ〜、やる気が起きない。もう、何でもいいよ、仁の好きなように決めればいい……。


再びミルクティーのカップに口を運び、窓の外を眺める。10階にある彼の部屋からは、青い空にミッドタウンのビルが建ち並んでいる。


こんないい天気なのに、ここで何をしているんだろう?


帰ろう……。


「今日はもう帰るわ。最近ちょっと疲れちゃって。悪いけど、決めなきゃいけないことをメールしてくれるかな?」


サッとバッグを取り、足早に部屋を去った。一回も振り返らずに。

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