御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹   葉子と仁の物語
この暗闇はとても孤独。やっぱり私は一人なんだ。


何で仁を受け入れちゃったんだろう……?
彼に近づいてはいけないって、わかっていたのに。


彼は私に近づき、ゲームを始めた。
彼の人生ゲームを。


彼はお見合いをした、ジェイドのように。
彼は他の女性を選んだ、ジェイドのように。
彼は不必要になった私を捨てた、ジェイドのように。


胸が苦しい、息ができないよ。
助けて……。




鼻に何かが被せられ、大きな音がして空気が流れてくる。ゆっくり瞼を開けると、白い天井が見える。おもむろに鼻に被さっているものを外すと、ツーンと消毒液の匂いが鼻をついた。違和感を感じた腕には点滴の管が繋がれている。


えっ、ここはどこ?


何が起きたのか思い出そうとするが、川を眺めていることしか覚えていない。辺りを見ると、両脇をカーテンで仕切られている。


病院?


酸素マスクを被せてくれた看護婦さんが、担当医を呼びに行ってくれた。しばらくしてカーテンが開かれ、女医さんが血液検査の結果と私の体調について教えてくれる。最近の不調や気分の落ち込みの理由もわかり、タクシーでマンションに帰った。




タクシーの中でケータイを見ると、(おびただ)しい数の着信とメッセージの数。それは仁だけでなく圭衣と美愛からも。


実家から何も連絡ないってことは、まだ両親には知られたいないんだ。大事にならないように後で圭衣に連絡入れておこう。




タクシーがマンションに近づいた時、入口付近に止まっている見覚えのある車が目に留まる。黒いベンツ……。運転手さんに急いで行き先を変更してもらった。

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