色恋沙汰はどこまでも
 「うん。ありがとう、羽柴さん」

 爽やかに微笑む新藤君は、案外癒し系なのかもしれない。

 「はっはぁん、そゆことね~」

 ろくなことを考えてないような、ニヤニヤした笑みを浮かべている美智瑠に嫌な予感しかしないのは私だけだろうか。

 『爽やかイケメンをキープしたいからって新藤君の恋路を邪魔するわけじゃないでしょうね?美智瑠』と言わんばかりの冷めた目で美智瑠を見ると、『あたしそんな悪女みたいなことしないもぉん』的な顔をして、私にベェーッと舌を出してきた。

 「恭輔くん!ライク交換しない?同中で同クラとか奇跡っしょ~」

 「あ、うん。俺のでよければ」

 「ほら、凛子も~!」

 「はいはい」

 「え、いいの?羽柴さん」

 「ん?」

 「俺とライク交換してくれるの?」

 「うん、別にいいけど」

 「そっか。嬉しいな」

 本当に嬉しそうな顔をしてる新藤君に『私の連絡先ごときで?』と頭上に疑問符がぽわ~んぽわ~んと浮かんでいる私。

 ま、なんでもいっか。
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