色恋沙汰はどこまでも
 だあーーもう限っ界!

 「ハァッ、ハァッ。やっべーなこれ、体力死ぬほど落ちてんじゃねーか。煙草と酒やめよっかな」

 にしてもさっきの電話、学校サボったっつーより友達(ダチ)の看病しに行くんじゃね?急いでんのに白杖の男も助けたのか。

 「ったく、なかなかかっこいいことしてくれるじゃんよ。もう一生会うことねぇわな」

 愛だの恋だのどうでもよかったはずだ。なのにどうしてこんなにも胸が高鳴る?っていやいや、ありえねえだろ。中坊だぞ?

 「酒飲んで無かったことにすれば……おい俺の酒は?」

 てなことがあって、かくかくしかじかで現在に至るってわけ。

 まさか彪ヶ丘に来るなんてな、しかも俺の生徒だし。柄にもなく“運命だ”とか思ったりもして?ガキ相手にきしょくわりーのは重々承知の上だが、教師と生徒とかザラにある話でもあるし?とか、どうにかして自分を正当化しようとしてるあたりがマジできめぇ。

 「羽柴の担任を受け持った時、何度も言い聞かせたろ」

 教師と生徒、そうあるべきだって。
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