(二)この世界ごと愛したい
分かってるよ。
私の出る幕じゃない。
アキトは将軍。その誇りもプライドもきっとある。私を心配しての言葉だとちゃんと分かってる。
でも、明日王宮に行くことはもう決めた。
私が原因で失った領土ならば、その責任の一端を私が負わないといけない。
…例えそれを、アキトが望まなくても。
「やっぱり、遊ぶ約束なしにしよう。」
「……。」
「とりあえず一晩だけ泊めて。明朝には出るから。」
「…リン。」
この戦の片が付くまでは、遊ぶことなんて考えない方がお互いのためかなと思った私。
ちゃんと終わらせてから悠々改めてと、思っただけなのに。
切なそうに顔を歪めるアキト。
迷惑だと言ったはずのアキトがなんでそんな顔をするんだ。
「…お前は無情だなあ。」
「私が?」
「どうせ止めたってお前は好きにやるんだろ。じゃあもう勝手にしろ。」
「……。」
アキトはそう言って、部屋を出て行った。
どうやら私はアキトを傷付けてしまったらしい。
アキトはハルによく似てる。でも今の状況、ハルだったら私は甘やかされて結局遊んでもらえるんだろう。
…似てるけど、やっぱり少し違う。
「私だって、楽しみにしてたけど。」
思い出すのは、いつかの海。
『だからたまーにこうして、ただのリンとまた遊んでね!』
『…ああ。約束する。』
「私が破った…のか。」
だからアキトは怒ったの?悲しかったの?
さっきは遊ぶ約束なんて、どうでもよさそうにしてたのに?
…人の感情って、やっぱり難しい。