(二)この世界ごと愛したい
ぽつり、ぽつりと。
雨粒が落ちてくると同時に私は炎を纏う。
一人で勝手にアキトの部屋に戻ろうとした私を、すぐに抱き抱えたシオン将軍。
「…便乗。」
「私は便利な足ですか。」
けど濡れるのも嫌なのですぐに舞い上がり、シオン将軍と共に部屋に戻って来ました。
剣を置いて、私は再び布団に潜り込む。
寝そびれた!二度寝しよう!!
私はそう決め込んだのに何故か突っ立ってるシオン将軍。
「何してんの!」
「は?」
私はシオン将軍の腕を引っ張り、布団に引き込む。
「まだ寝れる!トキが起こしに来ちゃう前に早く寝なきゃ損だよ!」
「……。」
「おやすみ!」
「…何で一緒に寝るわけ?」
…お、仰る通りだ。
起きた時一緒にいたから、二度寝も一緒にするものだと思い込んでしまった。
そして迫り来るトキの目覚ましに怯えすぎた。
「…間違えた、ごめん。」
「いいですよ。眠いのは俺も同じなんで。」
「…ん?てかさっきまでは何でここで寝てたの?」
「…眠かったから?」
そうですか。
自分は勝手に人の横で寝るくせに、私の間違いを突くんですね。
「好きな場所で寝ていいよ。」
「どうも。」
「……。」
動かんのかーい。
私はとっくにシオン将軍の腕は離してるのに、好きな場所で寝ていいと言ってるのに。
そのまま隣にいるこの人。
「…おやすみ。」
「っ!」
そして、私の頭にぽんっと手を乗せて。
初めて見る優しい顔で。
…おやすみと言った姿に驚いた。