(二)この世界ごと愛したい
いやしかし、シオンもいるこの場は違うか。
また改めよう。
「……。」
「……。」
「……。」
なんでか空気が重い気がする。
寝ようか。寝てやろうか。レンとシオンって確かに異色な組み合わせだけども。気は合いそうにないけども。
意味不明な三角関係出来上がってるし。
「…あ、リン左腕の傷見せて?」
「ジジイがやっぱり余計なこと言ってるなー。もう治ったからいいよー。」
「アレンデールの先生に渡した薬すぐに使ったのは聞いたけど、その後逃げ回って治療しなかったんでしょ?」
「に、逃げてないよ!?私帰国してからもそこそこ忙しかったから仕方なかったんだよ!?」
ジジイ!デタラメ言うな!
「じゃあ俺に見せて?」
「……。」
「見せられない?」
「…怒らない?」
「怒るよ?」
「じゃあやだ。」
「でも見せないならもっと怒る。」
…それもやだな。
シオンに助けを求められないかチラッと視線を向けると、向こうも私を見ていた。
「…何ですか。」
「治ってるって説明してほしい。」
「…治るどころかアキトの城で追加で斬られてたでしょ。」
「シオンっ!?」
どいつもこいつも私に冷たい!!!
熱あるのに!!!
「斬られた?」
「…軽く…ね。でも大丈夫。治ったから。」
「うん。もういいから見せて。」
「あ、私スーザンと友達になったよ。」
「早く見せて。」
食いつかないか。
やっぱり粘着質な性格だ。私だってもういい。めんどくさくなってきた。
「はい、どーぞ。」
「…あー。これ神経まで痛めてるね。感覚なくて痛みもあんまり感じないでしょ。このままじゃ切断だよ。」
「ええっ!?嘘っ!?」
確かに痛くないけど!!!
切断するほど酷かったの!?!?
「うん、嘘。」
「…は…?」
「って可能性もあるから自己判断やめてね?」
だ、騙された…。
本物の医術師の本気トーンの嘘怖い。