(二)この世界ごと愛したい



どこでテキパキ動いてんだよ。




「鬼人っ?」


「おーちゃんただいま。ハルご挨拶。」


「…コンニチハ。」



ハルを見て目をまん丸にするおーちゃんにもただいまを伝えて。ハルにも挨拶するよう促す。


何故カタコトなのかは分からないが。




「鬼人着いて来たん?」


「いや、送ってもらっただけ。ハル帰って。」


「帰ってとかサラッと言うな!?」



あーもう。


こんなことなら一人で飛んで戻れば良かった。




「とりあえずお嬢お疲れさん。二人ともコーヒー飲むか?」


「ありがとうー。」


「……。」


「ハルもお礼言いなさい。」


「…ドウモ。」



こんな騒がしい私達に、コーヒーを振る舞ってくれる優しいカイに二人でお礼を伝え。


とりあえず馬移動で疲れた身体を休めた。




「ソルから馬で来たん?相乗りで?」


「アレンデールからずっとね。馬車にしたらって言ったんだけど…。」


「俺はリンと離れるのが辛い。」


「と言う理由らしくて。流石に疲れたー。」



そんな馬鹿げた理由に、苦笑いするカイ。


そして私は疲れました。




「お嬢、ここどんくらいおれる?」


「…おーちゃん。」


「どした?」



私の隣に座っているハル。


その反対側で、私の隣にそっと座って不安そうな顔でこちらを見ているおーちゃん。



疲れた身体に効きます。


めちゃくちゃ癒されます。




「お嬢…?」


「…眼福です。」


「は?」



私がおーちゃんを見て癒されてるのを、ここでも黙っていないハル。


グイッと頭を鷲掴みにされ、首を回される。




「痛いよ!?何!?」


「…浮気者。」


「う、浮気っ…!?」





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