幼なじみと黒歴史~初心な天使が闇落ちした理由は私です(マンガシナリオ)
#11 もう、遅すぎ
〇夜の砂浜(静かに打ち寄せる白波)
莉恋「急に・・・?」
愕然と天馬を見上げる莉恋
天馬「知らねーと思うけど、俺、莉恋に認められたくてずっと頑張ってたんだよね。それにさ、莉恋は俺に『キスされた時は気持ち悪かったよね』って言ってじゃん? それ、ぜんぜん違くて・・・その逆で。」
声を詰まらせた天馬 前髪をクシャリと掴んでうつむく。
天馬「あのキスは、俺の大切な宝物だったんだよ。」
莉恋(ウソ・・・!)
両手で顔を覆う莉恋
莉恋から顔をそらせたまま、話し続ける天馬
天馬「悔しかったんだ。再会した時に成長した俺が莉恋に刺さっていないのが。煽るような態度取ったのは、完全に八つ当たり。
でも今日、初めて褒めてくれたよね。スゲー嬉しかった。あれで自信ついたし・・・なんか、ふっきれたわ。」
ようやく振り向いた天馬 憑き物が落ちたような笑顔
天馬「今まで莉恋を振り回したことを、一回、ここでリセットしたい。俺ら、ただの幼なじみに戻れるかな?」
タオルを持つ震える手に、グッと力を込める莉恋
莉恋「そんなの、ぜんぜん良くないよ!」
持っていたタオルを天馬にぶつけて、うつむく莉恋
驚く天馬
莉恋「つき合うとかも勝手に決めたくせに、勝手に謝らないで!!」
莉恋の目からポロポロと涙がこぼれる
莉恋「もう、遅いの?」
やっと絞り出した莉恋の声が震える
目のふちが赤い天馬 呆然と莉恋を見つめる
天馬「遅い?」
莉恋「ずっと勘違いしてた。天馬は、私に復讐したいんだって。」
天馬「知ってる。それを利用して、俺は・・・。」
莉恋「でも、やっと気づいたの! 私・・・天馬が。」
手の甲で溢れ出す涙を拭う莉恋
天馬「莉恋?」
莉恋「大好き。」
天馬が目を大きく見開く
莉恋の目の前に跪き、莉恋の頭を軽くなでる
目を閉じ嗚咽を上げて泣いている莉恋
フゥと息を吐いて、莉恋に顔を近づける天馬
天馬「遅すぎ。」
涙の痕がつく莉恋の目の下にキスをする天馬
至近距離で見つめ合う莉恋と天馬
天馬「あの時から俺は、ずっと莉恋が大好きだったの。」
〇海帰りのキャンピングカー(高速道路を移動中)
〇海帰りのキャンピングカー(車内)
j-popのラブソングが流れている
曲を口ずさみながら運転する隼人 ふと、バックミラーに目線を送る
隼人「フッフーン、偽装恋人じゃなかったんかい。」
後部座席のシートをフラットに倒して、一枚のタオルケットをシェアして熟睡中の莉恋と天馬
その手はしっかりと繋がれている
〇連休明け・莉恋の家の外観(朝)
〇莉恋の部屋
姿見の前で、髪にストレートアイロンを当てたり、ビューラーをする莉恋
メガネも外して、以前より垢抜けて明るい雰囲気をまとっている。
莉恋「よし、いいでしょう!」
鏡に向かってニッコリ笑う莉恋
莉恋ママ(声だけ)「莉恋、急ぎなさいよー。」
莉恋、慌ててメイク道具を仕舞う。
莉恋「はーい。」
〇莉恋の家の前
家の前で、音楽を聴きながら莉恋を待っていた制服姿の天馬
莉恋が来たのを確認すると、骨伝導のイヤホンを外してニコッと笑う
天馬「おはよ。」
莉恋「おはよー! 」
天馬の笑顔にキュンとする莉恋
莉恋(なんか、今さら彼女目線で天馬を見るの、恥ずいな・・・。)
天馬「あわてんぼう。」
天馬が莉恋の前髪をサラリとかきあげる
天馬「メガネ、忘れてるよ。」
莉恋「今日はコンタクトにしたの。」
闇堕ちモードの天馬 口調が硬くなる
天馬「待ってるから、今すぐにメガネに戻して。」
がっかりした顏の莉恋
莉恋「ほめてくれると思ってたのに・・・そんなに変?」
天馬が唇を尖らせる
天馬「かわいいよ。」
ホッとする莉恋
莉恋「あ、ありがと。」
天馬「かわいーけど、相変わらずニブイな・・・。」
耳まで赤くした天馬が、額に手を当てる。
天馬「俺以外の男に、かわいい莉恋を見られるのがムリなの!」
莉恋(キャー⁉ 朝からこれはどゆこと・・・? 私の彼氏が予想以上にかわいすぎて、しんどいんですけど‼)
胸を押さえてよろめく莉恋
莉恋の顔の前に手の平を出す天馬
天馬「外せよ。」
莉恋「ムリだってば。部屋にメガネ、置いて来ちゃったもん。」
天馬「しょうがねーな。」
舌打ちした天馬が莉恋の肩を抱き寄せる
天馬「今日は一日、俺から離れんなよ!」
そのままぎこちなく手を繋いで歩く二人
すれ違うご近所さんや通行人の視線、散歩中の犬の視線まで気にする莉恋
犬「ワン!」
目が飛び出すほど驚く莉恋
莉恋(幸せすぎて、ごめんなさーーーい!)
〇高校の校門前
シャッター音
スマホのカメラにフォーカスされる莉恋と天馬
莉恋と天馬が手を繋いで校門前を歩く様子が、写真に納まる(盗撮)
生徒会長の瑞月が生垣の影からフラフラしながら出てくる
瑞月「あの雪河クンが、全身校則違反男の魔の手に堕ちた・・・だと⁉」
鼻息荒く、歯ぎしりする瑞月
瑞月「正常な生徒会運営のために、いたいけな子羊を救わなくては! しかし、僕ひとりでどうするべきか。」
生垣の後ろからシャッター音
驚いて、振り向きざまにジャンプして後退する瑞月
全身黒ずくめ、黒いフードを目深に被った、謎の女が佇んでいる
謎の女「莉恋のストーカー?」
瑞月「ぼぼ、僕は断じてストーカーではない! お前こそ誰だ、怪しい奴め。うちの生徒ではないな・・・!」
生垣の陰から、茉生がゆっくりと姿を現す。
茉生「ふーん、わりとマジメなんだぁ。でも、利害は一致してるみたい。バディになってよ、ストーカーさん♪ お互いの世界の平和を保つためにね。」
莉恋「急に・・・?」
愕然と天馬を見上げる莉恋
天馬「知らねーと思うけど、俺、莉恋に認められたくてずっと頑張ってたんだよね。それにさ、莉恋は俺に『キスされた時は気持ち悪かったよね』って言ってじゃん? それ、ぜんぜん違くて・・・その逆で。」
声を詰まらせた天馬 前髪をクシャリと掴んでうつむく。
天馬「あのキスは、俺の大切な宝物だったんだよ。」
莉恋(ウソ・・・!)
両手で顔を覆う莉恋
莉恋から顔をそらせたまま、話し続ける天馬
天馬「悔しかったんだ。再会した時に成長した俺が莉恋に刺さっていないのが。煽るような態度取ったのは、完全に八つ当たり。
でも今日、初めて褒めてくれたよね。スゲー嬉しかった。あれで自信ついたし・・・なんか、ふっきれたわ。」
ようやく振り向いた天馬 憑き物が落ちたような笑顔
天馬「今まで莉恋を振り回したことを、一回、ここでリセットしたい。俺ら、ただの幼なじみに戻れるかな?」
タオルを持つ震える手に、グッと力を込める莉恋
莉恋「そんなの、ぜんぜん良くないよ!」
持っていたタオルを天馬にぶつけて、うつむく莉恋
驚く天馬
莉恋「つき合うとかも勝手に決めたくせに、勝手に謝らないで!!」
莉恋の目からポロポロと涙がこぼれる
莉恋「もう、遅いの?」
やっと絞り出した莉恋の声が震える
目のふちが赤い天馬 呆然と莉恋を見つめる
天馬「遅い?」
莉恋「ずっと勘違いしてた。天馬は、私に復讐したいんだって。」
天馬「知ってる。それを利用して、俺は・・・。」
莉恋「でも、やっと気づいたの! 私・・・天馬が。」
手の甲で溢れ出す涙を拭う莉恋
天馬「莉恋?」
莉恋「大好き。」
天馬が目を大きく見開く
莉恋の目の前に跪き、莉恋の頭を軽くなでる
目を閉じ嗚咽を上げて泣いている莉恋
フゥと息を吐いて、莉恋に顔を近づける天馬
天馬「遅すぎ。」
涙の痕がつく莉恋の目の下にキスをする天馬
至近距離で見つめ合う莉恋と天馬
天馬「あの時から俺は、ずっと莉恋が大好きだったの。」
〇海帰りのキャンピングカー(高速道路を移動中)
〇海帰りのキャンピングカー(車内)
j-popのラブソングが流れている
曲を口ずさみながら運転する隼人 ふと、バックミラーに目線を送る
隼人「フッフーン、偽装恋人じゃなかったんかい。」
後部座席のシートをフラットに倒して、一枚のタオルケットをシェアして熟睡中の莉恋と天馬
その手はしっかりと繋がれている
〇連休明け・莉恋の家の外観(朝)
〇莉恋の部屋
姿見の前で、髪にストレートアイロンを当てたり、ビューラーをする莉恋
メガネも外して、以前より垢抜けて明るい雰囲気をまとっている。
莉恋「よし、いいでしょう!」
鏡に向かってニッコリ笑う莉恋
莉恋ママ(声だけ)「莉恋、急ぎなさいよー。」
莉恋、慌ててメイク道具を仕舞う。
莉恋「はーい。」
〇莉恋の家の前
家の前で、音楽を聴きながら莉恋を待っていた制服姿の天馬
莉恋が来たのを確認すると、骨伝導のイヤホンを外してニコッと笑う
天馬「おはよ。」
莉恋「おはよー! 」
天馬の笑顔にキュンとする莉恋
莉恋(なんか、今さら彼女目線で天馬を見るの、恥ずいな・・・。)
天馬「あわてんぼう。」
天馬が莉恋の前髪をサラリとかきあげる
天馬「メガネ、忘れてるよ。」
莉恋「今日はコンタクトにしたの。」
闇堕ちモードの天馬 口調が硬くなる
天馬「待ってるから、今すぐにメガネに戻して。」
がっかりした顏の莉恋
莉恋「ほめてくれると思ってたのに・・・そんなに変?」
天馬が唇を尖らせる
天馬「かわいいよ。」
ホッとする莉恋
莉恋「あ、ありがと。」
天馬「かわいーけど、相変わらずニブイな・・・。」
耳まで赤くした天馬が、額に手を当てる。
天馬「俺以外の男に、かわいい莉恋を見られるのがムリなの!」
莉恋(キャー⁉ 朝からこれはどゆこと・・・? 私の彼氏が予想以上にかわいすぎて、しんどいんですけど‼)
胸を押さえてよろめく莉恋
莉恋の顔の前に手の平を出す天馬
天馬「外せよ。」
莉恋「ムリだってば。部屋にメガネ、置いて来ちゃったもん。」
天馬「しょうがねーな。」
舌打ちした天馬が莉恋の肩を抱き寄せる
天馬「今日は一日、俺から離れんなよ!」
そのままぎこちなく手を繋いで歩く二人
すれ違うご近所さんや通行人の視線、散歩中の犬の視線まで気にする莉恋
犬「ワン!」
目が飛び出すほど驚く莉恋
莉恋(幸せすぎて、ごめんなさーーーい!)
〇高校の校門前
シャッター音
スマホのカメラにフォーカスされる莉恋と天馬
莉恋と天馬が手を繋いで校門前を歩く様子が、写真に納まる(盗撮)
生徒会長の瑞月が生垣の影からフラフラしながら出てくる
瑞月「あの雪河クンが、全身校則違反男の魔の手に堕ちた・・・だと⁉」
鼻息荒く、歯ぎしりする瑞月
瑞月「正常な生徒会運営のために、いたいけな子羊を救わなくては! しかし、僕ひとりでどうするべきか。」
生垣の後ろからシャッター音
驚いて、振り向きざまにジャンプして後退する瑞月
全身黒ずくめ、黒いフードを目深に被った、謎の女が佇んでいる
謎の女「莉恋のストーカー?」
瑞月「ぼぼ、僕は断じてストーカーではない! お前こそ誰だ、怪しい奴め。うちの生徒ではないな・・・!」
生垣の陰から、茉生がゆっくりと姿を現す。
茉生「ふーん、わりとマジメなんだぁ。でも、利害は一致してるみたい。バディになってよ、ストーカーさん♪ お互いの世界の平和を保つためにね。」