永遠を糸で縫い留めて

走る

風が渡る 透明な空気が過ぎ去ってゆく


私に与えられた足 ふたつのそれを使って 


どこまでも どこまでも遠くへ 


未だ見たことのない場所へ 会ったことのないひとたちへ


遠く とおく ぐんぐんと過去を追い抜いて 


過ぎ去ってゆくものを惜しまないように


新しいものを摑み取れるように


どこまでも どこまでも 


踏んだことのない土がないように


後悔のないように


遠く とおくへと
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