俺の彼女は高校教師

第7章 実りの秋は里の秋

 9月1日 金曜日。 またまた大騒ぎをする二学期が始まりましたんです。
久保山先生もクッソ真面目な顔で俺たちを見回している。 「いいか。 二学期は大事な時だ。 進学組も就職組も気を引き締めて行動するように。」
進学組の総大将 有田智子も今日ばかりはクッソ真面目な顔をしている。 「智子が鬼になってる。」
「あいつはいつだって鬼だろうがよ。」 「それでも今日は特別な鬼だぜ。」
 後ろのほうでそんな声が聞こえる。 智子は何食わぬ顔でそいつらに目をやった。
「ロックオン‼」 誰かが叫ぶと静まり返っていた教室が爆笑の渦に飲み込まれてしまった。
 「あのねえ、私は戦闘機じゃないのよ。」 「分かってる。 お前は見えない軍艦だろう?」
「何だそれ?」 「いいからいいから。」
 しょうもねえことばかりやってるなあ。 俺はそいつらを見ながらそう思った。
 「ひーろあーきくーーーん。 夏休みはどうだった?」 そこへ小百合が飛んできた。
「どうだった?って聞かれてもなあ。」 「高橋先生といいことやったんでしょう?」
「どういうこと?」 「さあねえ。 分かんないけどさあ。」
「分かんないなら言うなよ。」 「お見事‼」
「香澄 ちゃちゃ入れても可愛くないけど、、、。」 「いいんだもーん。 宏明君にくっ付いてやるんだもーん。」
「こいつ背後霊にでもなる気か?」 「いやいや香澄なら呪縛霊よねえ?」
「大丈夫だもーん。 私守り神だから。」 それを聞いて律子がこけた。
「りっちゃん こけ過ぎだってば。」 「だってあんまりに面白くないから、、、。」
「二学期早々に何よ? みんなで私を虐めて。」 「虐められるためにお前は居るんだろう?」
「違うんだもん。 宏明君を守るために居るんだもん。」 「怖い怖い。 こんな間抜けな守り神じゃあ先が思いやられるわ。」
何とまあ、、、。 香澄はやっぱりトラブルメーカーだったのね?

 1時間目は数学でーす。 おいら緊張しっぱなし。
だってだってだって秘密のエッチをした先生だよ。 うわーーー、萌えちゃう。
 「何をニヤニヤしてるの?」 (ゲ、突っ込んできやがった。)
「ねえねえ弘明君。 高橋先生といいことしたんでしょう?」 香澄までニヤニヤしながら追及してくる。
「なーーーんにもしておりませんがねえ。」 「じゃあ何で目がハートになってるの?」
「お前、何処見てんだよ?」 「顔。」
その答えにみんなはまたひっこけた。 「あのさあ、顔を見てるのは分かってんの。 二学期早々やらかさないでよ。」
「ごめんごめん。 宏明君が悪いんだからしょうがないわよ。」 「何で俺なんだよ?」
「いいじゃない。 私の彼氏なんだから。」 「誰が決めたんだよ?」
「私。」 「あっそう。 お幸せに。」
「冷たいなあ。 たまには振り向いてよ。」 そう言うもんだからみんなが振り向いた。
「あのあのあの、、、。」 「なあんだ。 俺たちに用は無いんだって。 ああバカバカしい。」
「んもう、、、。」 その調子で昼休みまでぶっ飛ばすぞーーーーーー‼

 さてさて、その昼休みになりました。 俺はさっさと弁当を食べちまっていつものように図書館へ、、、。
静かな静かな図書館で誰にも何にも煩わされること無く本を読みましょうか。 気に入った本を探して読んでいると、、、。
 「だからさあ、今度の旅行は大変かもよ。」 小百合の声が聞こえてきた。
どうやら香澄も一緒に居るらしい。 (またあいつらくっ付いてきたのか。)
 渋い顔をしながら本を読んでいると、、、。 「こないだ借りた本をまた借りていこうっと。」
そう言いながら香澄が本を探しております。 (今日は奥まで来ないな。 いいぞいいぞ。 香澄。)
 心の中でそう応援してるんですけど、、、香澄たちはどんどん近付いてきます。
(おいおい、これじゃあうるさくてどうかなりそうだぜ。) 「有った有った。 これこれ。」
 もうちっとで近くに来るってところで香澄が本を見付けたらしい。 そのまま司書室へ持って行った。
小百合も小百合でお目当ての本を見付けたらしく図書カードを書いてもらっている。 (よしよし。 邪魔は居なくなったぞ。)
 それからしばらくして美和が図書館へ入ってきた。 「弘明君も来てたの?」
「いつもの通り、何にも無いから本でも読んでようと思って。」 あの日のように美和は俺の隣に座った。
 「今日も静かね。」 「さっきまで香澄たちが居たけどね。」
「本を借りに来てたみたいね。 擦れ違ったけど。」 「そうなんだ。 いつもはくっ付いてくるのに今日はサッと居なくなってさ。」
「何か感じてるんじゃないの?」 「感じてたら騒いでくるよ。 あいつならじっとしてないから。」
「だとは思うけど、、、。」 静かな図書館の中で二人きり。
今までに無いくらいに空気が熱く感じる。 と思ったら美和の太腿が触れてきた。
それで俺は美和をそっと抱き寄せてみた。 あの日以来のドキドキだ。
 本を読みながら美和の顔を見詰めてみる。 知らない間に美和も息を弾ませている。
「やっちまったんだよな。 先生と生徒で良かったはずなのに、、、。) (あの日、私と弘明君は戻れない男と女の仲になったの。 離れるとしたらそれは別れる時ね。)
 本を読みながらそっと太腿に触れてみる。 そのたびに美和がピクッと反応する。
「ねえねえ、あんまり性感帯を触らないで。 あの日みたいに萌えちゃうから。」 小声で美和が俺に言ってくる。
「ごめんごめん。」 そう言って俺は手を引っ込める。
 でもさあ、二人でシャワーを浴びてた時の美和の裸を思い出しちゃって、、、。 そんな時に昼休み終了のチャイムが鳴った。
 「さて掃除しなきゃ、、、。」 俺がバケツを取りに行くと美和も後ろから付いてきた。
「あれあれ? もしかして先生もここ?」 「そうなのよ。 久しぶりに戻ってきたの。」
 金曜日から始まった時には次週も同じ所を任されることになっているから、来週も美和と同じだ。
美和にモップを任せて俺はテーブルを拭いて回っている。 時々、後ろからぶつかってみる。
「わざとやってるなあ? こら‼」 「ミニ香澄だあ。」
「何よ? ミニ香澄って?」 「香澄みたいな反応をするからさ。」
「私って柴犬じゃないから。」 「似たようなもんだよ 美和も。」
「ひどーーーい。 彼女なのに馬鹿にするなんてーー。」 ニヤニヤしながら突っ込んでくるから思わず吹き出してしまう。
「美和、合わないからやめろよ。」 「合わなかった? ごめんごめん。 エッチ。」
「エッチって、、、。 それは無いよ。」 「掃除しながらお尻触ってたでしょう?」
「そりゃあまあ、、、。」 「学校の中でそれは無しだわ。」
「先生の顔してる。」 「そりゃそうよ。 学校の中なんだから。 気を付けなさい。 宏明君。」
「ごめんなさい。」 そしたら美和が耳打ちをしてきた。
「部屋に居る時は何をしてもいいんだから我慢しててね。」 そう言ってまたまたニコッと笑うのでありまーす。
憎み切れない女だよなあ。 前の彼氏が信じられないわ。
 9月1日と言えば関東大震災の日。 『風立ちぬ。』で見たけど相当だったんだよなあ?
日本は本当に地震が多い。 揺れないように見えていきなり揺れるからおっかない。
阪神大震災もそうだった。 東日本大震災もそうだった。
熊本地震もそうだった。 北海道東部地震もそうだった。
三陸沖地震もそうだった。 いきなり来るんだよな。
 そうじゃなくても震度2くらいの地震ならしょっちゅう起きてる。 地球がやってることだから予知なんて出来ない。
日本は地震と温泉と金の国だ。 地震が多い地域では金がよく作られるって聞いたような、、、。
それはそれでいいけどさ、俺は出来るなら美和を金にしたいな。 それくらいに大事な人だって思えるようになってきたんだ。
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