勝ちたい僕と冷たい君

教室は修羅場と化す

 むむむ……むむむぅ……。
 さっきから感じるこの気配はなんだ?
 この静かぁ~な空気は一体なんだ? 
 僕はゴクっと息を飲み込み恐る恐る
後ろを振り向いた。
 「え? なにこれ……」思わず呟く僕。
 僕の大好きな彼の隣にピトっと
寄り添いながら座るあの娘……
髪をわざとかきあげなら彼と一緒に教科書を
見てる……。 
 くぅ~、なんでそうなるんだよ。
 あなた、何時転校して来ましたたっけ?
 教科書……もう揃ってるはずですうよね~絶対!
 
 それに、何? あの髪のかきあげ方……
ここは神聖なる教室ですよ……
 アナタワカッテマスカ? 
 と思わず外国人化してしまう僕。

 それに、なんだよ。何回髪かき上げたら
気がすむんだよぉ!
 などと、僕がジェラシーの炎をめらめら
燃やしていた時、急に背中に寒気を感じた……。

 僕が視線を動かした先に見えたのは……
 無表情で、シャープペンを握りしめ、
 ノートにぶっ刺してる彼女……。
 ありゃ、ありゃありゃ、シャー芯が
粉々だよ。
 あれじゃ前の奴も恐ろしくて
後ろ向けないな。

 そんな彼女をよそに僕の大好きな彼は、
涼しい顔して授業を聞いてる。
 教室がこんなに修羅場と化してるのに
君は何も気づいていないんだな。

 うふっ♡ 可愛い!
 いつものツンも好きだけど、
 涼しげオーラ全開の君もイケてるぅ。

 今日も僕は彼を見て心を和ませる。
 
 
< 8 / 16 >

この作品をシェア

pagetop