【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!
(あははっ、やっと目障りな奴が消えてスッキリしたわ。わたくしより美しい女なんて全員消えてしまえばいいのよ!)

ジャシンスが手を加えて輝かせた宝石だとするのなら、ありのままで輝いているのがメイジーだった。
同じ父親で母親が違うだけなのに彼女は天使のように愛らしく美しかった。
幼いジャシンスはメイジーに強烈な嫉妬を覚えたのを今でも覚えている。

だから壊してやったのだ。
母もジャシンスと同じ気持ちだった。
ゴミのような存在だが、ストレス発散には役に立つ。
だからメイジーがジャシンスの上に立つなんてありえないのだ。

(お父様も病気でおかしいことを言い始めた時には驚いたわ。このわたくしがあんなゴミの下になるだなんて、あっていいわけないでしょう?)

ジャシンスは手のひらを握り込んだ。
今、思い出しただけでも腹立たしくてどうにかなってしまいそうだ。

(……だけどもうあの子はいない。このわたくしが女王なのよ)

ディディエはそのまま王配となり、すぐに結婚することになった。
ジャシンスが盛大な結婚式をあげたいと言っても、周りは困惑した表情でこちらを見るばかり。
一生に一度しかない結婚式を完璧なものにしたいと思うのは当然だろう。
今は盛大な結婚式のためにドレスを仕立てているが、ディディエは興味ないと言った様子だ。
ジャシンスはそれが気に入らない。
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