隠れ御曹司は、最強女子を溺愛したい

8. 彗くんからのプレゼント



体育祭が終わって、6月に入った。


私は今、千春ちゃんと一緒に更衣室へと向かって廊下を歩いている。


次の授業は、体育なのだけど。


「いや〜。ついに、プールの季節がやって来たね」


嬉々として話す千春ちゃんとは反対に、私は少しユウウツ。その理由は……。


「体育で水泳の授業が始まると、いよいよ夏! って感じがするよね」


そう。6月になり、今日から体育では水泳の授業が始まるんだ。


7歳の頃に川で溺れて以来、今も水が苦手な私。


溺れたあと、もっとちゃんと泳げるようになりたいと思った私は、家の近所のスイミングスクールに通いだした。


でも、水への苦手意識だけはどうしても拭えず、すぐに辞めてしまった。


顔を洗ったり、家のお風呂に入るのは平気だけど、プールや海に入るのはダメ。


海やプールに入ろうとすると、川で溺れた当時のことがフラッシュバックして、体調が悪くなってしまうんだよね。


だから、今まで学校の水泳の授業は休みがちだったんだけど。


もう中学2年生だし、苦手なことから逃げてばかりなのは良くないと思い、私は今日の水泳の授業への参加を決意した。

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