楽になりたい





突然爆発音のような雷鳴のような音が、雨音の中やけに鮮明に耳を劈いた。





余韻が消える前に女性の甲高い悲鳴も続く。





少し遅れて近くから顔を顰めたくなる匂いが、風に流され香ってきた。





全身の血が冷えわたり、肋骨を突き破るんじゃないかと思えるまでに鼓動が激しくなる。





蠕動する心をどうにか奮い立たせ匂いの元へ向かった。




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