モノノケモノ
……忘れてた。

神社に行くためには、またこの長い階段を上らないといけないんだった。


「……はぁっ……はぁっ……なんで猫族だけ裏の森じゃなくて神社に住んでるの?」


息を切らして階段を上りながら、前を行くカナ爺に話しかける。

まったく、モノノケの二人は体力があるからいいが、もうちょっと私のことも考えて上って欲しい。

振り返ったカナ爺は私の情けない姿を見て呆れているようだ。

でも、立ち止まって待ってくれる。

ちなみにカナ爺は狸の姿に戻っている。

人型は慣れなくて恥ずかしいらしい。


「猫は神社の守を申し付けられておる。

神社に住むのは当たり前じゃ」


「あー……。

カナ爺が森の長だから森の入り口に住んでるみたいなもんか」


「そうじゃ。

……休憩はもうええか?

行くぞ?」


追いついたのに一向に歩き出さない私に業を煮やして、二人はまたスタスタと階段を上っていった。
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