モノノケモノ
明星は祖母に任せ、お茶を入れるために台所に向かった。

お茶とおまんじゅうをお盆に載せて居間に戻ると、明星はちらちらと祖母の顔を見ながら部屋の奥でおとなしく座っていた。

私が入っていくと、はじかれたように顔を上げ、私を見る。

なんだその「助かった」みたいな顔は。


「はいどうぞ」


明星、カナ爺、祖母の順にお茶を出す。

お盆を脇に置いて、祖母の隣に座った。

カナ爺の向かい、明星の斜め前だ。

明星の向かいには、座布団に乗せられた秀がいる。

今は泣き止んでいるようで良かった。
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