検索:永遠とは
テーブル席に座り、俺は少し深呼吸をした。

「話って、なに?」

全てを察したかのように、寂しそうな表情で俺を見つめてくるその瞳が辛かった。

「...ごめん。別れてほしいんだ」

俺は女の子にそう告げた。

心配をかけたくなかった。寂しい思いをしてほしくなかった。

だから、俺は女の子を振った。

「...なんで?」

女の子はそう聞いてきた。

涙が出てきそうなのをなんとか堪えて、俺は言葉を発する。

「他に好きな人が出来た」

女の子は、黙ったまま。何を思っているのかは、俺にはさっぱり分からない。

「本当、ごめん」

こんな形で振ることになってごめん。でも、そうした方がお互い幸せになれると思ったから。

俺を嫌いになってくれれば、それでいいんだ。

「永遠って、言ってたじゃん」

「...ごめん」

俺はもう、ただ謝ることしか出来ない。

「もう、いいよ。あんたなんか、大嫌い...!」

女の子はテーブルにお金を叩きつけて出ていった。

長い黒髪の隙間から見えた目は、潤んでいる気がした。
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