この恋は妄想じゃありません
「莉紗先輩、誰？」



瀬名くんは不思議そうに2人を見つめている。



「えっと中学の時の…」



友達じゃない、知り合いとも呼びたくない。




「あれ？彼氏？めっちゃイケメンじゃん。遊ばれてんの？」



2人は瀬名くんの存在に気づくとかっこいいと騒ぎ出した。



「っていうかまだ小説書いてる？さすがに書いてないか」



やめて、その話題しないで。



そう願うも、どんどん2人はエスカレートしていく。



「彼氏さん、知ってますか？こいつただの妄想女なんですよ」



キャッキャと笑い中学時代と同じように私のことをバカにしてくる。



でも2人のいうことは間違ってないし嘘でもない。



私はただただ下を向くことしかできなかった。



すると、



「ドゴッ！」



と鈍い音が響いた。



な、何…？



顔を上げてみれば瀬名くんが2人を殴ったということが状況を見てすぐに分かった。
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