琴葉の日記

4月18日(金)

すっかり気が抜けて、油断してると会うんだね。

世の中ってそういうふうにできてるみたい。

身をもって、よーく思い知った!


あれは、掃除の時間が終わりに近づいてた頃。

渡り廊下の当番だった私が、ゴミをチリトリに集めてると、目の前をすーっと通過していったのだ。

ゴミ箱をもった秀一郎さんが!

ゴミ収集場所に向かってたんだと思う。


あんまりにも一瞬だったから、何にも考えてなくて、パッと顔を上げたの。

そのとき、秀一郎さんも私の横を通り過ぎたことに気づいたんじゃないかな?

私のほうを振り返って、目を細めて、微かに口角を上げた。


それが本当に一瞬で。

秀一郎さんはまたすぐに前を向いて、さわやかに歩いていっちゃった。

でも、確かに目が合ったし、私にだけ分かるように笑いかけてくれた。


すごいな〜。

あんなのキュンとしちゃうよ。

杏奈が言うには、5組にはもう秀一郎さんのファンクラブができてて、それに4組の女子も入り始めてるんだって。

まあ、みんなして勝手に『ファン』って名乗ってるだけで、何か活動してるわけじゃないらしいけど。


でも、分かるな。

あんなの、どうしたってファンになっちゃうよ。

私は立場上ファンクラブに加入はできないけど、気持ちだけは共有できるな〜。

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