鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】

 そう気づいて、心臓がぎゅっと鷲掴みにされるような錯覚に陥った。

『彼がどういう家庭の人間かわかるわよね。必要なのは医師として一緒に戦える人間であって、目の前の命から逃げるような人じゃないの。あなただって今日、すぐに動けなかったでしょう? そんな人間が悠生さんのそばにいていいと思っているの?』

「それ、は」

 悠生さんの母親も同じようなことを言っていた。

 別々の人間から同じ言葉を投げかけられると、間違っているのは私なのだという気にさせられる。

『あなたのためにもならないと思うわ。住む世界が違いすぎるのよ。私たちと違って』

 どくんと心臓が大きく跳ねた。

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