鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 このやり取りだけで終わったことについて、羽白さんは苦笑していた。

 いつかは終わる契約結婚なのに、わざわざ挨拶をするつもりだったらしい。律儀な人だと思ったけれど、彼も忙しい人だし、私から必要ない旨を伝えた。

 会社でも、結婚について総務と上司に伝えて終わりだ。旧姓のままのほうが仕事をしやすかったのもあり、特に同僚にも伝えずにいる。

 婚姻届を提出し、羽白さんの家で生活するようになってあっという間に五日が経った。

 広いリビングとそれぞれの部屋、そして和室という平均的な3LDKだ。三十階建てのタワーマンションではあるが、住んでいるのは三階である。

< 36 / 337 >

この作品をシェア

pagetop