鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 夫婦らしくするなら用意をしてもいい気はしたけれど、安い買い物ではない以上、いずれ離婚する関係のために購入するのももったいない。

 だから羽白さんが言ってこない限り、私から聞かなくてもいいと判断した。

「おはようございます」

「ああ、おはよう」

 自室から出ると、もうリビングに羽白さんの姿がある。上下ともにグレーのラフな部屋着は少し大きめなのか、きっちりした彼にしては緩い印象を受けた。

 結婚するにあたり、彼は私の部屋をちゃんと用意してくれた。いつか終わる生活だろうと妥協せず、ベッドまで新しく買ってくれたのだ。もともと物置として扱われていた部屋は、今や私の城と化している。

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