鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 義両親が医者なら、私のトラウマについても理解を示してくれるかもしれないが、面倒な女が嫁に来てしまったと思われる可能性もある。

 もとより否定されて当たり前の結婚だが、悠生さんの不利になるようなことはしたくない。それでは私が妻を演じる意味がなくなる。

「……悠生さん」

「なんだ?」

 小首を傾げた悠生さんを見つめ、視線をさまよわせてからまた手を差し出した。

「もう少しだけ練習させてください。……来週のために」



* * *



 たとえ悠生さんが相手であっても、長年のトラウマはそう簡単に解消できなかった。

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