鉄仮面の自衛官ドクターは男嫌いの契約妻にだけ激甘になる【自衛官シリーズ】
 この人はわかっている人だ。倒れている女性の尊厳を守るため、好奇の目にさらされないよう身体を隠すためのものを探してくれている。

「そこ、スマホを向けるな。見世物じゃない」

 そんな声まで聞こえ、ますます強い安心感に包まれた。

 どうやら彼は、私がAEDの使用経験者だと知り、私の手が回らないところのフォローに入ってくれたようだ。

 この雰囲気からすると彼のほうがよりAEDの使用に慣れていそうだが、相手が女性だと考えて私にすべて任せたほうがいいと判断したのではないだろうか。

 女性の気道を確保した後、胸の上に組んだ両の手のひらを添えてぐっと押し込む。

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