きみの本気は分かりづらい
「…」



向けられる、その強い執着心や愛情は
人によっては、狂気にも思えるものかもしれない


優しい表情と声の裏
根底にあるのは、深い独占欲と依存心


どうして、自分なのかは
やっぱりわからない


だけど、それを向けられることに
不快感や嫌悪感は感じない


多少の困惑は残るものの
それほどまでに求められることに
喜びや嬉しさを感じてしまうのは


私が、ゆう兄と同じだから



ずっと、この人の『特別』が欲しかった


『特別』になりたかった



本当は、今でもずっと、この人を独り占めしたい


この人を、手に入れたいって思ってた



程度の差はあれど


執着心も、独占欲も、抱える想いも



全部、同じ





だから





「………いいよ」





ふつりあいだとか


自信がないとか


怖いとか


恥ずかしいとか



色々思いながらも



それでも、やっぱり好きで



ずっと、ずっと、諦められなかった





「え?」




私の言葉に
きょとんとした表情を浮かべてる、この人が―…




「ゆう兄が好き」




ゆう兄の目を
しっかりと見て、想いを告げる




「……だから、いいよ」



すぐに、恥ずかしくなって
声が尻すぼみになる



布団で顔を覆い、そのまま、隠れる私
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