きみの本気は分かりづらい
「うーん…今のところ、最下位だね」

「分かるんだ」

「経過報告があがってきてるから
少し前のものだから
順位の変動はあると思うけど」

「まだ時間あるから、頑張る」

「じゃあ、頑張ってるむくちゃんに
ヒント」

「え?」



ゆう兄は、少し腰を屈めて
内緒話をするように、私に耳打ちする



「『日当たりの良い、隠れ場所』」



離れたゆう兄は
自分の口許に人差し指を当てて、小さく笑う



「これ、もう少ししたら
発表するやつだったんだけど、特別ね」




「じゃあ、むくちゃん。頑張って」




そう言い残して、ゆう兄は
ひらひらと手を振りながら、去っていった
< 95 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop