きみの本気は分かりづらい
制限時間も残りわずか
みんな、ラストスパートをかけている


慌ただしい校舎を出て


訪れたのは



体育館の2階のギャラリー


その片隅にある物置スペース



私のお気に入りの場所



立ち入り禁止エリアではないけど

普段から
あまり人が訪れるような場所でもないからか

ここを捜索した形跡はない



……もし、あるとすれば



あやしいのは
無造作に積み重ねられた段ボール


それを開けて
ひとつずつ中身を確認する


運動部が使っていたであろう
古いゼッケンや、設備器具等
いろんな物が出てくる


二つ三つと他の段ボールも開けていくと



「…」



横断幕が詰め込まれた箱の中から
現れた『それ』に、私は目をぱちくりさせる
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