憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
美春が願をかけるように私のお腹を撫で、そこまで待ち遠しいのかとおかしくなる。

「寝たか」

「うん」

龍志がお茶を淹れてくれ、一緒に並んでソファーに座る。
ここからは夫婦の時間だ。

「美春じゃないが、早く生まれてこないかな」

ちゅっと軽く、彼の唇が重なる。
父親になった今でも、彼は私に甘い。

「もう!
龍志まで。
……あっ」

「どうした?」

私が一声上げ、龍志が怪訝そうに顔を見る。

「これ、生まれるのかも」

なんとなく、お腹に違和感を覚えた。

「とりあえず、いつでもいいように準備する」

「俺も手伝う」

兄に連絡して美春を頼む。
次第に痛みが強くなっていき、これは間違いないと病院へ向かった。

「頑張れ」

龍志が、私の手を握ってくれる。
温かいその手は今も変わらず優しくて、幸せな気持ちになれる。

「もしかして美春の願いが届いたんですかね」

「だな。
起きたらお姉ちゃんになっててきっとアイツ、驚くぞ」

家族が増えるまで、あと少し――。


【終】

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