憧れの上司は実は猫かぶり!?~ウブな部下は俺様御曹司に溺愛される~
宇佐神課長はいかにも面倒臭そうだが、はからずともまた同じタイプの人間と関わり合いになってしまったわけだ。
その気持ちは痛いほどわかるし、そうなってしまって大変申し訳ない。

「別にキサマが会社をクビになったのか不当解雇だったのかとかどーでもいいんだ。
それよりも俺の七星に危害を加えようとしたこと、どう落とし前をつけてもらおうか?」

「ひ、ひぃっ!」

課長が凄み、男が悲鳴を上げる。

「どうされました!?」

そのタイミングで誰かが通報したのか、ふたりの警察官が駆けつけた。
まあ、こんなところで、しかも大声で言い争っていれば、誰かが通報してもおかしくない。
しかも、交番は徒歩圏内だ。

「た、助けてくれ!
こ、殺される!」

転がるように警察官に駆け寄り、ストーカー男は助けを求めた。

「大丈夫です、もう安心してください」

警察官も男を保護しているが、あのー。
殺されそうだったのはこちらなんですが。
状況的に誤解されるのもわかるけれどね。
どう見ても宇佐神課長がストーカー男を脅しているようにしか見えないもの。

「おとなしく手を上げろ」

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