すべての愛を君だけに。

「歩せんせー!おっはー!」


「ちゃんと挨拶しろ」






先週と同じく今週も朝の挨拶のため校門に立つ。


今日は雨が降っているせいか、少しだけ肌寒い。


色とりどりの傘が校門を通って校舎へと向かう。


次々と通る生徒の中に。
雨を見つけた。


淡い水色に裾の部分が白色の傘をさしていた。


目が合う。
心臓がドクンと鳴った。


大丈夫、大丈夫。


休みの間、気持ちを落ち着かせて自分の中では整理をつけて来た。


雨もきっといつも通りに接してくれる。


少しづつ近づいてくる雨に目を逸らすことが出来ない。


大丈夫
俺たちは…前みたいに戻るんだ。






「比嘉、おは」


「おはようございます、“望月先生”」


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