すべての愛を君だけに。
助手席の窓が開いて、歩ちゃんに乗るように促され乗り込む。
…で。
連れてこられたのは、歩ちゃんの家。
…家。
いやいやいやいや!!
家!?
何階建てか分からないくらい高いマンションの駐車場に車を止め、先を歩く歩ちゃんに着いていく。
エレベーターで押された35のボタン。
家って…ヤバくない?
え…?どうしよう…。
と、オロオロ落ち着かなかったわたしの気持ちを返して。
「誰かさんが中間テストの成績悪すぎたから」
「……否定できない…」
ダイニングテーブルに向かい合って座って、勉強をするわたしを監視するように見つめてくる。