すべての愛を君だけに。
「歩!わたしを除け者にして雨ちゃんと何してるの?」
意外にも明るいその声にいつの間にか力が入って握り締めていた手に気づく。
不満そうな沙織先生は学校で見るのとは違い、とても可愛く見えた。
「さっきまで勉強見てた。今から飯行ってくる」
「えー!わたし知らないんだけど!なんで言ってくれなかったの?」
「ごめんって。3人でご飯はまた今度な」
わたしを挟んで話す2人は聞いてるだけで親密なのがわかる。
…付き合ってるんだから当たり前か。
そうだそうだ、忘れちゃうところだった。
歩ちゃんは沙織先生と付き合ってるんだった。
「雨ちゃん!」
「あ、はい!」