すべての愛を君だけに。
パックジュースを飲みながらわたしの返事を待っているなーちゃんに箸を置く。
歩ちゃん…なんて言えるわけない。
適当にクラスメイトの名前言っちゃう…?
いやいや…それはよくないか…。
「まさか、望月先生なんて言わないよね」
「へっ!?」
「…図星なの?」
「ま、まさかー…だって、叔父さん…だし」
俯くわたしにふーん…と言いながらなーちゃんはパックジュースを机に置いた。
何も言えないわたしのお弁当箱に卵焼きが入れられる。
「雨、自分の気持ち大切にね。わたしはずっと雨の味方だから」
そう言って笑うなーちゃんに泣きそうになる。
ごめんね。
ごめんね、なーちゃん。
嘘ついてごめんね。
わたしが歩ちゃんを好きだって言っても友達でいてくれるかな…。