すべての愛を君だけに。

パックジュースを飲みながらわたしの返事を待っているなーちゃんに箸を置く。


歩ちゃん…なんて言えるわけない。


適当にクラスメイトの名前言っちゃう…?


いやいや…それはよくないか…。






「まさか、望月先生なんて言わないよね」


「へっ!?」


「…図星なの?」


「ま、まさかー…だって、叔父さん…だし」






俯くわたしにふーん…と言いながらなーちゃんはパックジュースを机に置いた。


何も言えないわたしのお弁当箱に卵焼きが入れられる。






「雨、自分の気持ち大切にね。わたしはずっと雨の味方だから」






そう言って笑うなーちゃんに泣きそうになる。


ごめんね。
ごめんね、なーちゃん。


嘘ついてごめんね。


わたしが歩ちゃんを好きだって言っても友達でいてくれるかな…。


< 196 / 393 >

この作品をシェア

pagetop