すべての愛を君だけに。
…と、余計に眠れないのはなんで!
もぞもぞと寝る体勢を変えてみるけど眠くならない。
1階に降りて水でも飲もうかな…。
起き上がろうとした時、スマホの着信音が鳴った。
こんな時間に誰だろうと思いつつ、枕元のスマホを取り画面を見る。
「…歩ちゃん……え!!」
画面には“歩ちゃん”と表示されていた。
わたしはすぐに通話開始ボタンを押してスマホを耳に当てる。
この間、2コール。
「もしもし…っ」
『出るのはや』
スマホから聞こえた声に泣きそうになる。
ああ…歩ちゃんだ。
いつの間にかベッドに正座していたわたしは、胸の高鳴りが抑えられない。