すべての愛を君だけに。

これだけで顔が真っ赤になってる。
ほんとに、可愛い。


絡めて握った手を口元に持ってきて雨の手の甲に唇を落とした。


さらに赤くなった雨の顔。






「ゆでダコみたいだな」


「そんなことない!よ、余裕だもん…っ」


「ふーん」






そうは見えないけど。
余裕って本人が言ってるんだし、もうちょい。


踏み込んでもいいか。


雨の中の俺はきっと優しい人のままなんだろうけど。


そんなことないって覚えさせないと。


握った手を引っ張ってより体を近づける。


雨の匂い
いつかの雨の真似をするように首筋に顔を埋め肺いっぱいに吸う。


ピクっと小さく反応したのがわかる。


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